個人事業主×簿記3級×FP3級のハチワレです。
今回はこちらの質問にお答えします。
はじめて白色申告をやろうと思います。どうやればいいか教えてください!
確定申告、よくわからなくて不安ですよね。
確定申告の方法には二種類ありますが、この記事ではより簡単な白色申告のやり方を解説します。
やり方によっては損してしまう場合もあるので、この記事を参考に、賢く確定申告に挑戦してください。
ハチワレも最初はわけがわからなかったです。
白色申告って?
それではまず、白色申告について解説していきます。
白色申告とは、個人事業主やフリーランスなどの自営業者がおこなう確定申告の一種です。
確定申告には二種類あります。
- 白色申告
- 青色申告
白と青。昔使われていた用紙の色からそう呼ばれているそうです。
白色申告は、青色申告と比べて手続きが簡単なことが特徴です。
その代わり「青色申告特別控除」が受けられず、青色申告と比べて納税額が増えてしまう可能性があります。
よって、初めて確定申告をするならば白色申告、慣れてきたら青色申告に切り替えるのがおすすめです。
ハチワレの経験上、収入が200万円以下ならば、納める税金は白色でも青色でもそれほど変わりません。
手続きと必要書類
それでは手続きと必要書類について見ていきましょう。
手続き
白色申告をおこなうために、前もって手続きは必要ありません。
2月16日〜3月15日の間に、前年1月1日〜12月31日分の確定申告を提出すればOK。
提出方法は次の3つ。
- 税務署の窓口
- 郵送
- インターネットによる電子申告
このうちでおすすめなのが「インターネットによる電子申告」。
国税庁「確定申告書等作成コーナー」から必要事項を入力するだけで書類を作成でき、そのまま提出できます。
電子申告が難しい場合、上のページで作成した書類を税務署に持って行ってもOKです。
提出書類
白色申告で提出する書類は次の3つです。
- 収支内訳書
- 確定申告書
- 各種控除のための証明書
①と②は手書きするほか、国税庁「確定申告書等作成コーナー」にて作成することができます。
③は、郵送などで送られてくる書類が多いので、捨てずに保管しておく必要があります。
それではひとつずつ、どんな書類なのかを簡単に説明します。
① 収支内訳書
1つ目は「収支内訳書」です。
収入と支出を計算して、1年間の所得を算出する書類です。
- 収入:稼いだ金額
- 支出:必要経費の金額
- 所得:収入から支出を差し引いた金額
「所得」=「収入」ー「支出」
「支出(経費)」が多ければ多いほど、「所得」は少なくなり、納める税金は少なくなります。
収入は、給与明細や源泉徴収票、ギャラの振込明細などから算出します。
支出は、経費として購入した領収書やレシート、クレジットカード明細などから算出します。
確定申告のために、これらの明細はきっちり保管しておきましょう。
② 確定申告書
2つ目は「確定申告書」。
所得から各種控除を差し引いて課税所得を算出し、今年度の納税額を申告する書類です。
「課税所得」=「所得」ー「控除」
「控除」が大きくなるほど、納める税金は少なく済みます。
おもな控除は以下のものがあります。
- 基礎控除:所得に応じて決定
- 配偶者控除:配偶者がいる
- 扶養控除:子供等の扶養家族がいる
- 社会保険料控除:支払った年金や健康保険の保険料
- 医療費控除:支払った医療費
- 寄付金控除:ふるさと納税など
など。
控除が多ければ節税となってお得です。
③ 各種控除のための証明書
3つ目が、「各種控除のための証明書」です。
控除を受けるために証明書が必要な場合があります。
確定申告時に、たとえば次のものを提出します。
- 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書 ←社会保険料控除
- 医療費の明細書、医療費通知 ←医療費控除
- 寄附金の受領証 ←寄付金控除
など。
これらは、郵送にて送られてくるケースが多いので、捨てずに保管しておく必要があります。
電子申告の場合「各種控除のための証明書」は提出不要です。
その代わり、保管義務があるので大切に保管しておいてください。
保管書類
確定申告の時に提出はしませんが、保管が必要な書類があります。
次の2つは求められた際に提示できるように準備しておきましょう。
- 帳簿
- 領収書、レシート
7年間の保管義務があります!
① 帳簿
2014年の法改正により、白色申告の場合でも帳簿づけが義務付けられました。
簡単なモノでかまわないので帳簿を作成しましょう。
② 領収書、レシート
支出となる必要経費は、領収書やレシートを保管しておく必要があります。
確定申告が終わっても捨てないで取っておきましょう。
万が一、税務調査がやってきた時に見せられるように整理しておきましょう。
ポイント
では確定申告をする時のポイントです。
注意すべきことや節税にとって重要なポイントなので、確認しておきましょう。
① 書類は7年間保管
次の書類は、7年間の保管義務があります。
確定申告が終わっても捨てずに保管してください。
提出書類
- 収支内訳書
- 確定申告書
- 各種控除のための証明書
保管書類
- 帳簿
- 領収書、レシート
これらの書類は年ごとにファイルに分けて、一箇所にまとめておくとわかりやすいです。
② 領収書、レシートを貯める
領収書やレシートを捨てずに保管する癖をつけましょう。
なぜなら、必要経費が多ければ多いほど節税効果があるからです。
レシート入れ用のポーチを100円ショップで買っておきましょう。
③ 社会保険料の支払い証明書を保管
国民年金の保険料、国民健康保険の保険料は全額が社会保険料控除の対象です。
大きな節税効果があるので、支払ったら証明書をかならず保管しましょう。
確定申告書を作成するときに、控除の申請も忘れずにおこなってください。
少なくとも20万円以上の節税効果がありますね。
④ 次回から青色申告する場合
青色申告に切り替える場合、事前に次の2つの書類を税務署に提出する必要があります。
- 開業届
- 青色申告承認申請書
これらは、青色申告したい年の3月15日までに提出しなければいけません。
つまり、確定申告時(締切日が3/15)に一緒に提出すれば、次回から青色申告が可能になります。
より大きな節税効果を受けるために検討してみてください。
開業届も青色申告承認申請書も作成が簡単な書類です。
まとめ
以上、白色申告についての説明でした。
はじめての確定申告にはわからないこともたくさんありますが、やり方次第では大きな節税となる場合があります。
また、還付金が戻ってくるケースもあるので、ぜひチャレンジしてみてください。
確定申告の基本を詳しく
確定申告の基本は、こちらの記事にまとめています。
確定申告をすると得するケースも紹介しているので、あわせて参考にしてください。
青色申告を詳しく
青色申告に挑戦したい方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
ぜひ参考にして、青色申告に挑戦してみてください。