個人事業主×簿記3級×FP3級のハチワレです。
今回はこんな質問にお答えします。
確定申告ってよく聞きますが、けっきょくのところ何ですか? 教えてください!
フリーランスや個人事業主ならば必ずやらなければいけない確定申告。
手続き次第で節税になるので、ぜひともコツを押さえておきたいですよね。
この記事では、確定申告の基本を解説しながら、確定申告のコツを紹介していきます。
はじめての確定申告の時に参考にしてください!
またアルバイトとして働く方など、実は確定申告することで得する人もいたりします。
確定申告しなければならない人、したほうがお得になる人を解説しているので、ご自身がどのパターンに当たるのかを検討してみてください。
確定申告って?
まずは確定申告とは何かを確認しましょう。
確定申告とは、一年間にどれだけ稼いだのかを申告して、自分の納税額を決定することです。
そしてこれは、基本的にはフリーランスや個人事業主がやらなければいけない作業といえます。
なぜなら、会社員やアルバイトで働く方など会社から給料をもらう人は、会社が税金を計算し、給料から天引きされているからです。
給料から税金が天引きされることを「源泉徴収」といいます。
しかし、最近は仕事の仕方も人それぞれ。
会社員/アルバイトでも確定申告しなければならない人、確定申告することでお得になる人がいます。
特にアルバイト収入や単発の仕事をした人は、確定申告することで納めすぎた税金が戻ってくる場合があります。
自分がどのパターンに当てはまるのか確認しましょう。
しなければいけない人
まずは、どんな人が確定申告をしなければならないのか、見ていきましょう。
① 個人事業主
これは先ほど言いましたが、個人事業主の人です。
最近では、フードデリバリーをやってる人もこれに当たりますね。
ハチワレも現在、個人事業主です。
② 年収2000万円を超えた会社員
年収2000万円を超えると、会社員でも確定申告をしなければなりません。
会社では2000万円超の年末調整をすることができないからです。
年末調整とは
会社が、従業員から天引きした税金の年間合計額を、従業員の年収が確定する年末に調整すること。
年末に過不足分を調整するため「年末調整」と言う。
③ 掛け持ちで働いている人
2カ所以上の会社から給料をもらっている人は正しい税額を割り出すために、確定申告をする必要があります。
アルバイト等を掛け持ちしている人がこれにあたります。
この場合、確定申告することで余計に税金が取られるケースは少なく、取られすぎていた税金が戻ってくることが多いです。
税金の勉強にもなるので、チャレンジしてみましょう!
④ 副業で20万円以上の所得がある人
年間20万円以上の所得があれば、確定申告の必要があります。
最近は副業を始める人も多ので、当てはまる人も多いかもしれません。
注意点は20万円以上の収入ではなく、20万以上の所得であること。
「所得」=「収入」ー「必要経費」
収入から必要経費を引いた額が20万円以上ならば確定申告が必要です。
確定申告すれば経費がどのくらいあるのかも割り出せます。稼ぎがあったら、とりあえず確定申告してみるのが吉。
すると得するかもしれない人
次に、確定申告をすると得する(かもしれない)人を紹介します。
確定申告することで納め過ぎていた税金が戻ってくるケースがあります。
①勤め先の社会保険に加入していない人
たとえばアルバイトで働いている場合など、勤務先の社会保険に加入していない場合は、国民健康保険と国民年金の保険料を自分で支払います。
支払った保険料は「社会保険料控除」という控除の対象で、確定申告することでその分だけ税金が安くなります。
給料から天引きされていた税金が戻ってくる可能性が高いです。
ハチワレもかつてこのパターンでした。確定申告することで毎年、還付金が数万円もらえました。
② 勤め先で年末調整されていない人
勤め先が個人経営のお店など小規模店の場合、年末調整してくれない場合が稀にあります。
アルバイトの場合とか、ときどきあったり。
このパターンに当てはまる人は、必要以上に税金が給料から取られていることが多いです。
自分で確定申告をおこない、正しい所得額を申請しましょう。
仕事を辞めて12月31日時点で在籍していない場合もこれに当たります。確定申告をしましょう。
③ 単発の仕事でギャラをもらった人
たとえば執筆を頼まれたり、パンフレットのデザインをしたり、イベントへ出演をしたり。
単発のギャラをもらった人は、確定申告することで源泉徴収分が戻ってくる可能性があります。
依頼主が企業である場合、支払われたギャラから源泉徴収(税金が天引き)されています。
確定申告して、源泉徴収分を取り戻しましょう。
振り込み金額が提示されていたギャラより少なくなっていたこと、ありませんか?あれが「源泉徴収」です。
準備
では確定申告への具体的な準備です。
時期が来るまでに何をやっておけばいいのかを確認します。
確定申告のシーズンは2月16日〜3月15日です。余裕を持って準備してください。
① レシート、領収書
個人事業主の人、副業で売上を上げている人は、とにかくレシートと領収書を集めましょう。
なぜなら、経費として計上できる可能性があるからです。
100円ショップでポーチを買って、レシートと領収証を貯めると便利です。
経費になるかならないか、仕分けるのは後で大丈夫。とにかくレシートなら取っておきましょう。
また、レシートポイ活アプリを使うと、買い物の時にレシートを忘れずにもらう癖ができます。
レシートポイ活アプリ ONE
この記事では、レシート買取アプリ「ONE」の使い方を詳しく解説しています。
興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
さらに、次の領収書はかならず一年分保管しましょう。
- 電気料金
- ガス料金
- 水道料金
- 家賃の支払い(振込時の明細等でOK)
- ネット料金
- 電話料金
自宅で仕事をする人は、これらの支払いの何割かを経費にできます。金額が大きいので節税効果が高いです。
これを家事按分(かじあんぶん)と言います。
② クレジットカードの利用明細
クレジットカードの利用明細はレシート等と同じく、経費の証明になります。
一年分をダウンロードして、保管しておきましょう。
クレジットカードによっては、過去の利用明細のダウンロード期限があるので注意が必要です。
忘れないうちにやっておきましょう。
③ 源泉徴収票
会社員/フリーターで、会社から給料をもらっている人は、年始あたりに「源泉徴収票」がもらえます。
年間でどのくらいの税金が給料から天引きされたかを示す証明書なので、捨てずに保管しておいてください。
12月の給料明細と一緒に渡されることが多いですね
また単発で仕事をした場合。
ギャラから源泉徴収されていたら、依頼主の会社から源泉徴収票が郵送されます。
これを捨てずに保管してください。
源泉徴収票はもらえないこともあります。その場合は、振り込まれた金額から自分で計算しましょう。
④ 国民健康保険、国民年金の領収書
- 国民健康保険の領収書
- 国民年金の領収書
- 「社会保険料控除証明書」という郵便物
保険料の領収書は、金額が大きいので必ず領収書を保管しましょう。
自分で支払った国民年金保険と国民健康保険は全額が控除の対象となります。
つまり、支払った分だけ税金が安くなるということ。
また、確定申告の時期が近づくと、日本年金機構から「社会保険料控除証明書」が郵送されます。
これは国民年金の領収書と同等の書類になるので、同じく保管しておきましょう。
⑤ 医療費の領収書
- 医療費の領収書
- 「医療費のおしらせ」という郵便物
一年間にかかった医療費は医療費控除の対象になります。
病院や歯医者からもらった領収書を保管しましょう。
また、確定申告の時期が近づくと「医療費のおしらせ」が郵送されます。
こちらは一年間にかかった医療費をまとめたものです。
領収書と同等のものとなるので、こちらも保管しておきましょう。
医療費は高額だった場合や、年収が極端に低かった場合等しか控除となりません。
しかし役にたつときもあるので、保管する習慣をつけておきましょう。
⑥ マイナンバーカードの作成を検討
マイナンバーカードが手元にあると、電子申告をスムーズにおこなうことができます。
確定申告はネットでの電子申告が便利です。
マイナンバーカードなしでも電子申告することは可能です。しかしパスワード発行のために税務署に行かなければなりません。
マイナンバーカードの作成に抵抗がなければ、つくっておいてもいいでしょう。
発行には少々時間がかかので、余裕を持って準備してください。
やり方
ではいよいよ実際の確定申告のやり方です。
繰り返しになりますが、確定申告は時期が決まっています。
毎年2月16日〜3月15日に、前年1月1日〜12月31日分を申告します。
確定申告書の提示方法は3つ。
- 税務署に直接提出する
- 郵送する
- 電子申告する
白色申告と青色申告
確定申告には二種類あります。
- 白色申告
- 青色申告
白と青。です
どんな違いがあるか、カンタンにまとめるとこんな感じです。
白色申告
- 提出書類の作成が楽
青色申告
- 提出書類の作成が複雑
- 節税効果あり
- 前もって手続きが必要
はじめてやるなら白色申告がいいでしょう。
収入が増えてきて節税する必要が出てきたら、青色に切り替えるのがおすすめです。
白色申告を詳しく
白色申告のやり方を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
青色申告を詳しく
青色申告のやり方を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。